都市伝説

彼の死

12 :恋人:02/03/12 22:31
これは、今から数年前実際に起こった出来事です。
ある夏、サークルで仲の良い3組のカップルで旅行に行こうということになりました。
ところが、旅行の当日になってA君がアルバイトが入り、どうしても少し遅れてくることになってしまいました。それを聞いたA君の恋人D子は自分も彼と一緒に遅れていくことにしました。

しばらくD子は家で彼の帰りを待っていましたが、なかなかA君は帰ってきませんでした。
しびれを切らしたD子がバイト先に電話を入れると、A君に「自分はまだ終われそうもないから先に行ってて欲しい。ごめん...」と言われ、D子は仕方なく一人で、先に旅行先に向かった四人を追いかけて電車に飛び乗りました。

やっと旅行先に着いたD子はタクシーで旅館に向かいました。外はあいにくの雨で、時間がたつにつれますますひどくなる一方でした。山道をしばらく走ること数十分、やっと旅館にたどりつきました。

D子は戸を叩きながら「すみません。今着いた者ですが。」と叫んでみました。ところが、雨の音に声がかき消されてしまい誰も出てきてはくれませんでした。しかし、幸いなことに戸には鍵が掛かっておらず、D子は中へ入って行きました。

部屋が何処か判らないD子はどうしようかと思い、廊下をウロウロしていると奥の方から聞き覚えのある声がしました。
やはり先に来ている四人の声でした。D子さんはドアを開けました。

D子:「ごめんねー。おそくなっちゃってぇ。イヤー参ったよ。あいつ(A君)さー、ぜんぜんバイト抜けられなくって、私だけ先に来ちゃつたー。」

D子はあまりにも遅くなったのでみんなが心配していると思い、明るく部屋に入っていきました。
やはり、皆心配していたせいか顔が青白く、元気もない様子でした。

D子:「みんなー、心配掛けてごめん....」

するとB君が立ち上がりD子の側にやってきて

B君「まーいいからこっちにきて座れよ。大変だっただろ一人で...」
E美「ほんと....」

E美は泣きながらD子の顔をみています。D子はそんなに心配を掛けてしまっていたのかと思いました。するとC君が

C君:「おまえには信じてもらえないかもしれないけど、今から俺の言うこと冷静に聞けよ。」

D子は訳も分からずにうなずきました。

C君:「実は、A君がここにバイクで来る途中に事故で死んだんだ....。」
D子:「えっ...?何冗談言ってるの。嘘よ....絶対嘘よ...。私信じない。だってさっきまであんなに元気だったのよ。」
E美:「D子、信じたくないかもしれないけど本当なの。」

D子は気が狂ったように泣き喚きました。
B君はD子の肩をささえながら一緒に泣いていました。

B君:「本当はすぐにでも東京に戻ったほうがいいんだけど、もう夜中だしこの雨じゃ車で帰るのも危険だ....辛いけど今晩はここに泊まろう。」
F子:「そうね。そのほうがいいわ。でもD子を一人にしておけないから、皆でD子が真ん中になるようにして一緒に寝ましょう。」

そして布団を敷き、皆布団に入りました。

B君:「なあ、D子。」
D子:「何?...」
B君:「もしも、Aが自分が死んだことがまだ分からなくて、ここにおまえを迎えに来ても絶対に出ていっちゃだめだぞ。」
D子:「ぇっ?そんなことある分けないじゃない。」
B君:「いや、わからないぞ。でも、やつが来たとしても絶対出て行くなよ。ドアも開けちゃだめだ。」
D子:「分かった...」

D子はなかなか寝付けませんでした。外の雨は一向に止む気配も無く、風が窓ガラスを今にも割りそうな勢いで音を立てています。
すると、ドアの方からドンドンドンドン....

D子:「誰?....」

 

13 :恋人:02/03/12 22:32
返事がありません。D子は気のせいだと思い、また眠りに入ろうとしました。
するとまた ドンドンドン やはりドアを叩く音がします。
D子はどうしようかと悩みましたが、ドアのところに走っていきました。

D子:「A君?A君なんでしょ?」

返事がありません。
D子は泣きながらドアを少しだけ開けました。やはりそこに立っていたのはずぶ濡れになったA君が立っていました。

D子:「ダメ!!帰って。あなたはもうここに来ちゃいけないの...」

返事はありません。
D子は泣きながら、きちんとA君を説得しようとドアを開けA君を見ました。
すると、A君は息を切らしながらD子の腕を引っ張りました。

D子:「一緒に行けないの。貴方はもうこの世の人じゃないの...」
A君:「おまえ何言ってるんだよ?」
D子:「貴方はさっき事故で死んだのよ....私だって信じたくない...だけど事実なのよ。」
A君:「馬鹿なこというなよ。死んだのは俺じゃなくて先に来た四人なんだよ!!!」

D子は驚き後ろを振り返ると、さっきまで一緒に寝ていたはずの友人四人は一人もおらず、ただ布団が五枚敷かれているだけでした。
翌日D子がA君に事情を聞くと、A君はD子が一人で旅行先に向かった後すぐにバイトが終わり家に帰ると、先に行った四人の事故を家族から知らされました。
そして、急いで宿泊先の旅館へ連絡をいれると「皆さんはもう御部屋で御休みになってます。」との返事でした。
Aはいやな予感がしたためバイクで旅館に向かったということでした。もしも、AがD子を迎えに来なければ四人と一緒にD子もあの世に連れて行かれていたかもしれません........

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