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はじめて、お便りします。あずきといいます。
関越道でのお話です。
私は、過去、人に言えない事件を起こしています。
私は埼玉の所沢という所に住んでいて、東京から帰るときは関越道を利用します。
夜、21:30くらいに、東京での仕事をおえ帰路に着きました。
あいにくの雨で視界が悪く、ちょっと鬱な気分でした、新宿から青梅街道を通り
高円寺を板橋方面に曲がるとき信号待ちの人の中に「あれ、どこかで見た」と感
じる人が立っていましたが急いでいる事もありそのまま関越へ向かいそのまま車
を走らせました。
雨なのに傘も差さずに女の人は緑色の三角布を首の下で結んでいて、何重にもス
カートをはいていて、床まである長さのものを着ていました。
何だか昔風の感じでした。
女の子は腰の上まで伸びたお下げで、頭の中央に赤いリボンで結んでいました。
服装は覚えていませんが、女の子も昔風の感じがしました。
車が目白どおりに入り、練馬区役所の手前のスーパーのところで何気にその方向
を見ると親子ずれの傘を差さない後ろ姿をまたしても見たのです、このときはた
だ不思議だなという感覚だったのですが関越に乗る寸前に今度は確信したのです。
なんとその親子ずれがまるでヒッチハイクでもするかのように片手を挙げていた
のです。
私は恐怖のあまりアクセルを開けて振り向く事もできずにただ前のみをみてカー
ステレオのボリュームをいっぱいに上げて車を走らせてのです。ミラーはどうし
ても見られませんでした。
所沢料金所までたどり着き料金を払おうとした時にブースの人がなんか独り言を
言ったような気がしました「やっぱりこうな・・」
そのとき、後ろ座席に気配を感じてミラーを見るとあの親子ずれが座っていたの
です。そして小さな声で「やっぱりこうなると・・・」
もう、それ以降は覚えていません、ただ覚えているのは信号が赤だったけどその
まま突っ込み、右方向から来る車の強烈なライトが一瞬まぶしかったことです。
今、私は冥界の入り口にいます、でも、どうしても先に進めません。
どうしたらいいんでしょうか、自分には見えているんです、仏壇の前で手を合わ
せてくれている母親が、そしてそこに刑事が訪ねてきていることも・・。
そして今まさに刑事が母親に向かって言おうとしていることがわかるんです・・
「お母さん、息子さんの車の中から実はこんなものがでてきまして・・いいにく
いですが、3年ほど前のひき逃げ事件でなくなられた親子の服の切れはしなんで
す」