518 :コピペですが・・:02/04/05 00:21
六甲山の東の端に甲山「かぶとやま」というのがある。
以前、走り屋だった私は、その甲山のふもとのルートを
ホームコースにしていた。
近くに「鷲林寺」(じゅうりんじ)というお寺があり(牛女伝説で有名)
その寺の参道と六甲への登山ルートの交差点「鷲林寺交差点」で
この怪異談は生まれた。
・山ちゃん」という走り屋がいた。彼はどちらかと言うと口数の少ない男で
白いハチロク使いとして、東六甲ではなじみの顔だった。
・ある夜、山ちゃんはいつものように六甲山へ走りいくため、鷲林寺交差点
で信号待ちをしていた。
・正面は寺の参道、右折をすれば六甲山方面だ。時間は芦有道路のゲートが
無料で通れるようになる、深夜0時少し前。あたりは交差点の照明で、
薄明るい状況だった。
・ふと、視界が暗くなった。もちろん辺りは暗いのだが、それ以上に
暗くなったのだ。
・山ちゃんは「ん・・?」と、首をのばしてフロントガラスから上を
見上げた、その時・・・。
浮いていたのだ。女が、車の屋根すれすれに、女が・・おおいかぶさって。
・山ちゃんは、必死に車を飛ばし、仲間のいる芦有ゲートまでたどり着いた。
そしてさっき見た女の話を、ひどく怯えながら話したのだ。
「真っ白い顔で、長ーい髪が扇型にひろがってた。・・眉毛が、
変な所にポン、ポンってついてて、口がな、口が・・耳まで
さけとんねん・・!。で、そいつがスーパーマンみたいに手を
ひろげて、フワフワ浮かんでて・・、服は・・平安時代みたいな
重ねて着る着物あるやろ?・・あ!それや!十二単!!」
・その夜、彼は走らずに帰った。以後二度と例のルートは通らなかったし
その話にも触れようとはしなかった。
・私は全く別の人からも、同様の話を聞いた。両者につながりはないし、
年代も10年以上はなれていた為、「信憑性が高い話」とは
思っていた。
・しかしそのルートは、西宮や仁川から六甲山へ登るには便利な道なので
「怖いなぁ」とは思いつつ、私は利用していた。
・そんな話も忘れつつあった、数年後のこと・・・。
・・・油断していた。まさか自分に襲いかかるとは思ってなかった。
519 :コピペですが・・:02/04/05 00:22
続き
・数年後、就職もしてすっかり落ち着いた私は、新しい車を買いかえた。
・それがうれしかった私は、昔からの友人を誘って、試乗ドライブに
でかけた。
・外車だったので、友人は右側の助手席にすわった。コースは昔からの
例にならって、宝塚の逆瀬川から東六甲に至る道を選んだ。
・途中、宝塚ゴルフ場の北端の交差点を左折し、甲山高校の前を過ぎ、
「鷲林寺交差点」にさしかかった。
・直進すれば心霊スポットの「お○こ岩」から苦楽園へ至る下り坂。
・我々は左折して、甲山方面に向った。
・すると、後ろからクルマが一台ついてきた。イエローバルブに交換された
ヘッドランプの形から、セリカではないかと思えた。
・そのクルマは、心地よいカーブがつづく道で、必要以上に車間距離を
詰めてきた。要するに私の「ちょろい外車」をアオってきたわけだ。
・私も腕にはちょっと自信があったので、「なめとったら痛い目みるで!」
と思い、わざと速度を落とし後ろの若造(たぶん)をイライラさせた。
そしてかつてのホームコース、「ピクニックセンター」のなかにおびき寄せる
つもりだった。
・案の定、怒った後ろの車は更に車間距離をつめ、ほとんど接触するかと
思うほどになった。
・両車はその状態のまま、「アガペー甲山病院」というホスピスの前に
さしかかった。右手は広大な「甲山霊園」である。
・Sカーブの上り坂を登り切れば、桜並木のある長い直線道路だ。
後車はあいかわらず、ペッタリついてくる。
と、その時・・、私と友人はほぼ同時に「奇妙なもの」が
視界の中に入り込んで来るのを感じた・・・。
・フロントガラスごし、左上方の、ちょうど電柱の高さあたりに
三角形の「白い布」みたいな物が見えた。正確にはちょっと青白い感じで、
ひらひらと舞いながらこちらに向って落ちて来る。
・はじめの大きさは30センチ角ぐらいだったのが、ふわっと広がり、
みるみる大きくなって来る。
私は瞬間、「一反木綿・・?」と思った。
友人も「あ・・・!」と声をあげ、クルマの上にせまる
「いったんもめん」を目で追った。
・私には別段、恐怖感はなかった。ただ、不思議・・だった。
・「鳥にしては形がおかしいし、コンビニ袋ではおおきすぎるな・・。」
と冷静に考えた。その間、ほんの3~4秒。
「白い布」は大きさを増し、2メートルほどに成長していた。
・そして・・私達のクルマのすぐ上に到達するかどうかという、
まさにその時、後ろにペッタリついていた例のセリカが突然、
急ブレーキをかけた。
・ギャァァァッッ!!というタイヤの鳴く音がして、大きく右に
ハンドルを切り、ガードレールにささるようにして停車するのを
私は、バックミラーで確認した。
520 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/04/05 00:23
・明らかにパニックを起こしている後ろの車をみて、私はクルマを
止めた。「・・なんや?」
・様子を見ていると、そのクルマは、決して広くない道幅をいっぱいに
使って、何回も切り返しながらUターンをして、元来た道を
引き返して行く。
私は突如、猛烈な恐怖感におそわれた。
「後ろの奴、なんか見たんちゃうか・・?さっきの白い布って・・!!」
・その場から一刻も早く逃げ出したくなり、猛スピードで山を下った。
・ようやく安心できる場所まで下り、友人に話しかけた。
「なんやったんやろ?さっきの。後ろの奴、絶対なんか目撃したん
やろうな!?」
友人は青ざめた顔で、「おう・・そうやな・・。」
と言うだけだった。
・その後、私は転勤になり、その友人ともあまり会うことがなくなった。
・当時のクルマも売却し、またちがうクルマに乗り始めた頃、
2年ぶりにその友人と再会した。
・昔の話に盛り上がるのにも少々飽きてきた頃、友人は何か
ためらいながら、「あの夜」の話をはじめた。
「お前もクルマを乗り換えたし・・・、もう話してもええと思うけど・・」
彼の口からでた話に、私は正直、ふるえあがった・・・。
友人曰く、
「あの時はな、お前がよく見てなかったみたいやったから、あえて
いわなかったけど・・」
521 :コピペですが・・:02/04/05 00:25
で続き
私は
「なんや!あの白いやつやろ?あれはきっとな、噂の幽霊が、
後ろの車にとっついた、って話ちゃうんか。」と応じた。
「いや、ちがう・・。俺は見てもうたんや。あの時俺は助手席側に
いたから、お前より長い時間見てたんや。」
彼によると、「白い布」はおおきく広がりながら私達のクルマの上まで
くると・・・
「よく運動会で“ゴール”とか書く、横断幕あるやろ?まさにあれや。
上から降りてきた布は、ビローンと横にのびたんや!」
彼は続けた
「でな・・、その横いっぱいに伸びた布は、よくみると・・・
バンザイした女が横向きになって飛んでたんや!!・・・」
・・襲われたのは後ろの車ではなく、私達だったのだ。
たしかに、もし自分の車にそんな異変が起きたら、わざわざ止まって、
時間のかかるUターンをするほうが怖い。
そう、彼らは、前を走る私達の車を襲った恐怖を目撃して、反対方向へ
逃げたのだ。
友人はこう続けた、
「しかもな、逃げて帰る最中も車内が妙に暗かったから、上をついてきてた
と思うねん・・・。」
思い起こしても、あまり運のよくない車ではあったが、致命的な事が
なくてよかったと、私は考えている。
>皆さん
私はこれを書いてる瞬間にも、その当時の体験がありありとよみがえり、
カラー映像をみるように場面が浮かび、鳥肌がたちます。
特にこれまであげた二つの話は「場所にまつわる恐怖」でした。
はっきりと現場が特定できる書き方をしてしまったので、「行きたい」
と思う人もあるでしょうが、本当に「覚悟」をしたほうがいいと思います。
私は霊能者でもなんでもない普通の人間です。