不可解な話

僕が叫んでいれば

372 :ムササビりべんじ ◆TC5.ZMGs :02/04/11 21:47
この話は僕が小学6年生の時のものです。
当時僕はとても体が弱く、扁桃腺が腫れて高熱がでるというパターンで、学校を
月の半分も休むような事がよくありました。
今後の事も考えて、夏休みを利用し扁桃腺の摘出手術を受ける為ある大学病院に
入院する事になりました。

小児科ではなく内科病棟に入院したので、まわりには同年代の子供はおらず、
年上の人ばかりでした。僕の部屋は4人部屋で、その当時はよく分からなか
ったのですが、結構重そうな病気のおじさん二人と咳ばかりしているおじいさんが
一人いました。

何ごともなく手術もおわり、その後しばらくは全身麻酔の後遺症で吐いたり、
のどのキズが痛くてつばを飲み込むのにも涙目になる程でしたが順調に回復して
行きました。

僕の入院中おじさん二人も手術をうけICUか何処かに移ったのでしょうその後会う
事はありませんでしたが二人の奥さんがそれぞれ挨拶に来てくれました。
手術はうまくいったそうです。

のどの痛みも消え、週明けにも退院という話が持ちあがったある日の夕方、僕の
斜前のベッドに寝ていた例のおじいさんがカーテンの向こうで誰かと話して
いるような声が聞こえました。でも誰かいる様子もなく、イヤな感じがしたので、
看護婦さんが検温に来た時、「おじいさんさっきから独り言をずっと言ってますよ」
と言うと、看護婦はそのおじいさんの所のカーテンをめくって「Wさーん、大丈夫~?」
とさりげなく様子を伺ったのですが、おじいさんはぐっすりと眠っていました。
やっぱりほかには誰もいませんでした。「大丈夫みたいだね。」看護婦は僕にそう
言いました。僕は愛想笑いをしましたが、
「そういえばおじいさんに誰も見舞いにこないな~」なんて事を頭では考えていました。

373 :ムササビりべんじ ◆TC5.ZMGs :02/04/11 21:48
そしてその夜でした。僕はものすごく変な夢をみました。通っていた近所の幼稚園
で一人で遊んでいる夢でした。日もくれて来たので家に帰ると父親が
「まだ反省もしてないのに、何で家に帰ってくるんだ!!」と怒鳴られ、反べそで
靴を履いて玄関を出ようとすると、いきなり何かが地面から飛び出てきたのです。

「うわーっ!!」目をさますと全身汗でびっしょりでしかも僕は、実際物凄い声で
叫んでいたらしくナースステーションで「何?今の声?」とか言ってるのが聞こえて
来ました。案の定すぐ看護婦がやってきて
「いま変な声しなかった?」と聞かれましたが、「ううん、知らない」といってごまか
しました。看護婦はさらに奥の部屋へと見回りにいったようで、僕も気分を落ち着か
せる為にトイレへ用を足しにいきました。時計を見ると午前3時でした。

部屋へ戻ってくると看護婦が例のおじいさんのベッドのところで何やら騒いでいました。
「Wさん呼吸してないよ!」「早く先生呼んで!」
その後、僕の部屋には何人もの先生が大きな装置を持ってやって来て、僕は
ショックをさける為だと思うのですが別の部屋に移されました。
いつの間にか眠ってしまい、翌朝起きた時には天気もよく、何ごともなかったかの
ような感じでしたが、部屋を覗いてみると、おじいさんのベッドはありませんでした。
その階のロビーに以前一緒だったおじさんがいたので、座って話していると僕らの
フロアとは逆の処置室などがある廊下の奥の方にぽつんとベッドが見えました。
僕はその時なんとなくそれはおじいさんのベッドだと思いました。
その後朝食の時に看護婦に「おじいさんは...?」と聞くと、やはり処置のかいなく
亡くなったという事でした。

「もう少し見つけるのが早ければなんとかなったかもしれないけど...」
僕は思いました。もし僕があの時正直に、変な夢を見て叫んだと正直に言えば
おじいさんのベッドをついでに見回ってもっと早く発見できたかもしれないと。
おじいさんは僕に助けてほしかったのだろうか?
夢で地面からでて来たのは一体なんだったのか?
未だによく分かりません。

でも一つだけ確かなのは、恐い夢をみて叫んだのは後にも先にもあの一回だけ、と言う事です。

https://curry.5ch.net/test/read.cgi/occult/1018361409/

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