65 :ムササビ( ◆TC5.ZMGs :02/04/10 03:33
東京の大学に進学してそのまま東京の会社に就職した私は、
数年ぶりに実家に帰省しました。
残り少ない休日を、高校の友達と遊んだりしてぶらぶらしていました。
車で帰省したのは初めてだったので、実家の近所を車で走り回っていました。
そして、あの日 友達を送っての帰り道
ふとしたことから、知らない山道に入り込んでいました。
東京と比べると田舎のことですから、あたりに灯りは全くない。
時刻は夜中の2時をとうに過ぎているから対向車も走ってこない。
そして、民家を見かけなくなってから10分くらいしてから、それを感じました。
カーステから流れる音楽に混ざって
『がさがさ』
音が聞こえてくる。
はじめはノイズが入っているんだと思っていました。
別に気にもとめずにそのまま車を走らせていると、
どうやら、後部座席のほうから音がしていることに気づいた。
何も積んではいないし、おかしいなと思いはしたんです。
それでも、やっぱり
『がさがさ』
音はやまない。
ちょうど、トンネルに入った直後に一段と音が大きくなったので、
運転しながら片手を後ろに伸ばしてみました。
その時の感触は今でもこの手にはっきりと残っています。
髪の毛...鼻...
人の頭でした。
私はそのままガードレールに激突したようです。
次に気がついたときには病院のベッドの上でした。