483 :経験者:2001/08/10(金) 11:52
そいじゃ次の話し。俺は中学2年に転校するまでは沖縄で暮らしていた。
今から書く話は、その時の話し。
俺が空手の稽古で通う道場は、漁港のすぐ脇にあり
道場以外の建物は、ほとんどが漁師さんの自宅だった。
その自宅の外れに、1件の妙なアパートが存在した。
そのアパートは2階建てで、上下に2部屋ずつあり
1階の右手の部屋にだけ、クロス字に板が2本
打ち付けられており、扉が開かないようになっていた。
玄関の両脇には花瓶が添えられ、扉にはお札のような
物まで貼ってあった。
どうしても気になった俺は、稽古が終わった師範に
聞いてみる事にした。「この辺の人はみんな知ってるよ。」
そう言うと師範は話し出した。
484 :経験者:2001/08/10(金) 11:53
その部屋にはアベックが住んでいた。
住んでいたアベックは、二人ともろくな奴では無かったそうだ。
二人とも家出同然で、その部屋に入居し、二人とも
仕事もせずに部屋にこもり、たまに外で見ても
シンナーのはいった袋を片手にふらついていたらしい。
そんな状態のために、関わり合いにはなりたくないので
周りの人達は知らん顔をしていた。
しばらくすると二人に子供ができてしまった。
だが二人が気づいた時には、すでにおろせる時期は
過ぎており、当然おろす金もない、産んで育てる事など
到底出来はしない。
二人は必死に考えたらしい、そしてある決断をした。
この部屋で流産させようと、その計画はその晩すぐに
決行に移された。
こんな場所では麻酔などありはしない、その代わりに
女にシンナーを吸わせ、意識をちらせ、男は
行動に移った。どうすれば良いのかわからずに
男は、外へ外へ女のお腹を押し始めなんとか
子供を出そうとしたが、そんな事をしても無駄だった。
485 :経験者:2001/08/10(金) 11:54
次に男は1本のハンガーを取り出してきて、
それをほどき1本のワイヤー状にしてから、先端を
丸い輪っか状にした。
そしてその輪っかの部分を、女の子宮に押し込み
中を引っ掻き回し始めた。女は痛みのあまり叫びだし
暴れ始めた。男は怖くなり、自分もシンナーを
吸い始めた。
シンナーを吸った事で、男の行動はエスカレートした。
何度やっても子供はでてこない、今度は
逆の先端を、フック状にして女のお腹に刺し
縦に裂きだした。あまりの痛みに女は立ち上がり
男を突き飛ばして、部屋から出ていった。
返り血をあびた男は、しばらくして女を追いかけた。
しかし女の姿はなく、そのまま男は町を
さまよい始め、その途中で警官により保護された。
シンナーが抜けた頃、警官は事情を聞き出して
慌てて漁港近辺を捜索し始めた。
漁民にも協力を要請し、アパートから続く血痕を
追い湾の中を捜索した。
だが女が見つかる事はなかった。
486 :経験者:2001/08/10(金) 11:55
月日が経過し、改装の終わったアパートに新たに
二人の女の人が入居した。
しかし2ヶ月後二人は忽然と姿を消した。
部屋の荷物も残したまま突然。
漁民達はあの事件のせいだと、口々に噂した。
それでも大家は、女の人の保証人に荷物を
引き上げさせ、新たな入居者を募った。
募集からすぐに新しい入居者が決まった。
今度も女の人で、米軍相手の飲み屋に勤める
人だった。
仕事を終えて、部屋に戻り疲れていた事もあり
すぐに布団に入った。
そして眠りにつこうとした時、自分の横に人の
気配を感じ、横を見ると女が背中を向けながら
「スーハー、スーハー」と音をたてていた。
そしていきなり立ち上がり、悲鳴をあげた。
その後に赤ん坊の泣き声が聞こえてきて
女の人はそこで意識が無くなったそうだ。
その時、朝の出港ににそなえて準備を
していた一人の漁師が、奇妙な光景を
目撃した。
487 :経験者:2001/08/10(金) 11:56
あのアパートの部屋から、女の人が手を前に
差し出しながら、湾のほうに歩いていたのだ。
沖縄の方言で、霊に惑わされる、霊に引かれる、
という行動を、「マヤーサレル」と言う。
漁師はそれを見て「まやーされてる」そう思い
湾に入る手前で、女の人を引き戻し、頬を叩いて
正気にさせたさせたそうだ。
この事件もあり、漁民達は大家にその部屋だけは
貸すなと、半ば脅迫状態で了承させ、それから
あの部屋の入り口は封鎖された。
事件後その漁港では、度々お腹を押さえながら
湾に向かう女の人が目撃されるらしい。
以上。