334 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/05/31(木) 19:40
これは俺の兄ちゃんの高校の時の友達の話です。
そいつは当時柴犬を飼っていて、毎朝散歩に出かけるのが
日課だったらしい。
そいつは沿線の近くに家があったらしいんだけど、近くに
公園があって、線路沿いをずっと歩いて踏切を渡って公園に
行って帰ってくる、というのがお決まりの散歩コースだった
ようだ。
そしてその朝もそいつはいつも通りに犬を連れて散歩に
出掛けた。
でも、そいつの家の付近は住宅街ということもあってか朝は
そんなに人通りがないので、犬には一応リードは付けていた
けど、車道と踏切の近く意外はほとんど放し飼い状態で散歩
していたらしい。
線路沿いを少し行った所にジュースの自販機があって、
そこでそいつは立ち止まってジュース一本買ったそうだ。
それでジュースとお釣を取り出して振り返ると、
さっきまで近くにいた犬がいない。
335 :334:2001/05/31(木) 19:57
だけど、ちょっと離れた線路の所に犬は行ってたらしいんだ。
で、そいつが犬の名前を呼びながら近づいていくと、
犬が何かを口にくわえてる。
ちゃんと躾をしなかったせいか行儀の悪い犬で、これまでも
よく散歩中に拾い食いをしてたらしいんだよね。
「またかよ~」
とか思いながらそいつが近づくと、犬は拾ったものを口に
くわえたまま、タタタタッとちょっとだけ遠くに走って、
今度はそれを地面に置いて前足で押さえて噛みちぎり始めた
らしい。
今度は犬も食べるのに夢中になったのか、そいつが近付いても
逃げなかったので、犬の口を無理に手でこじあけて食べたものを
吐き出させようとした。
でもほとんど飲み込んでしまった後みたいで、取り出せたのは
ほんのちょっとだったらしいんだけど、
よく見るとそれは泥で汚れていたけどピンク色をした
何かの肉片だったらしく、気持ち悪くて慌てて遠くに
放り投げて捨てたらしい。
でも、なんか手にそのグニャリとした感触が残っていて、
ちょいと生臭かったので、早く公園に行って手を洗いたくて
道を急いだそうだ。
337 :334:2001/05/31(木) 20:04
そうして歩いて行くと、何やら踏切の方が騒がしい。
何か嫌な予感を感じながらも近付いて行くと、
人だかりの中に駅員さんが何人かいる。
その時遠くの方から、あの車のサイレンの音が聞こえてきた
そうだ…。
後から聞いた話によると飛び込み自殺があったらしく、
しかも急行電車に跳ねられたので、死体はかなりバラバラに
遠くまで飛び散って、回収するのが大変だったらしいです。
340 :334:2001/05/31(木) 20:21
でね、これだけで終わると単なる事故遭遇話みたいなんだけど、
この話には続きがあるんです。
それから暫くして、その友達の飼っていた犬は死んじゃった
それを聞いた兄ちゃんはなんかゾッとしたらしいんだけど、
犬飼ってた友達の方は犬が死んだ悲しみで、そんなことも
考える暇はなかったらしい。
で、犬の方は動物の葬儀屋に頼んで火葬にしてもらって、
骨を持ち帰っていつでも側にいられるように皆で庭に埋めて
あげたんだって。
しかし、それから時々夜中に庭のほうから物音が聞こえる
ようになって、友達のお母さんは夜中に寝ぼけて犬がまだ
生きているのと勘違いして名前を呼んじゃったりしたみたい。
でも、前から近所の猫が犬の餌の残りを狙って犬がいない時に
庭に入り込んだりしていたので、その友達は悲しいけど
それは猫かなんかの立てる物音だと思ってあまり気にしては
いなかったらしい。
しかしある夜、受験勉強で遅くまで起きていたそいつが一階に
おりてトイレに行こうとすると、庭の方から何か音が聞こえて
来る。
343 :334:2001/05/31(木) 20:35
なんか、ガリガリと土を掘っているような音が聞こえて
くるので、近所の猫が犬の墓を荒らしてるんじゃないかと
そいつは頭にきて、追い払おうと庭に出たそうだ。
しかしそこにいたのは猫じゃなくて、四つんばいになった
女の人が穴を掘っていたそうだ。
びっくりしてそいつが動けないでいると、その人は顔を
あげてこっちを見て、すごい勢いで近付いて来た。
そいつが大声で悲鳴をあげたので、驚いた家族が起き出して
くると、もうそこには何もいなかったらしい。
後日、犬のお骨は掘り出して動物墓地に入れてもらった
そうです。
それと、飛び込み自殺したのは女の人だったらしいです。