715 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/03/25 11:04
霊感が強いという友人の話です。
幽霊なんて信じていない私としては、彼は単に感受性が強いだけなのだと思うけれど
この話だけはなんか訳がわからない怖さがあったので書き記しておきます。
ある雨の夜、H君は布団の中で眠れないままぼんやりしていたそうです。
まだそんな遅い時間ではなく、外の通りからは同じアパートに帰宅してきた人の足音が時折聞こえていました。
怖がりのH君は、そんな音さえもうるさいどころか心強く感じるくらいだったのですが、
彼の神経に障る音がひとつありました。それは女の人がハイヒールで歩く音。
さきほどから、アパートの前を行ったり来たりうろうろしているらしいその音が、
耳障りでしようがなくなってきました。
気の弱い彼には珍しいことなのですが、あまりに長時間にわたるので行って注意してやろうかと身を起こしかけました。
すると、窓には彼の部屋の前を行ったり来たりする背の高い女性の影が映っていたらしいです。
これがいかにもという感じで怪しいと個人的には思うのですが、彼の部屋は二階、その窓の下に通路はありません。
彼は一瞬凍りつきましたが、どこかの影が反射して窓に映っているのかもしれない、と思いなおし、
もっとよく見ようと身を乗り出しました。
その瞬間、影の動きが止まり、同時に寝ている布団の上に何かがドサリと落ちてきました。
天井から落ちてきたのは、人間の赤ちゃんだったそうです。
それきり意識を失って、起きたら赤ちゃんは居なかったそうです。
やはり夢オチとしか思えないのですが、H君いわく、赤ちゃんが落ちてきたときのあの重みは生涯忘れられそうにもないそうです。