425 :ムササビりべんじ ◆TC5.ZMGs :02/04/12 00:32
家賃は少々高かったが、間取りも良く条件にぴったりだったので
その部屋に即決めました。
3日目ぐらいに地震があったので、次の日に職場で「昨日はすごかったね~」
と話したら、同僚は全員「地震?」という反応。別に気にしないでいたが、
その晩も確かに揺れを感じたので、翌朝近所に住む同僚に聞いても
「?」との返事。
そんな事でしばらく地震生活を続けたある晩、床に入ると、上の階から
だんだん吐息が私の耳元に近づいて来るのがはっきりと解りました。
「恐え~」と思っていると、台所の方へ吐息が移動しました。
その途端「ドカーン」という爆発音がしました。絶対、夢じゃない!と思い
台所へ行くと、テーブルの真ん中に置いていた硬質ガラスのコップが立てから
真二つに割れ、流しに転がっていました。
翌日会社でその事をマンションを紹介した同期に話すと、地震の話しの時に
話そうと思っていたが・・・と話しを始め、実は昔その場所は旧日本軍の
倉庫跡で、終戦の際に捕虜や強制連行者を虐殺したという言われがあった
場所という噂があることがわかった。
お前責任取れ!という事で次の住まいが見つかるまで、同期に泊まってもらう
ことになったその晩、二人で飲んでいると、急に同期が声にならない声を
発して台所と居間をつなぐドアを指差すそこには、ドアの右上方から男が顔を
半分だけ出してこちらを凝視している姿が、私も声にならない声を発し
逃げようとするが、そのドアを通らなければ外へは行けない。
一般の怪談話とは違い、金縛りもならず、照明、テレビもついたままで、
一向に男は何もせず、この世の者の様にただ凝視しているだけだった。
勇気を振り絞って「あんた!何の用だ!出て行け!」と怒ったふりをすると
スーっとドアの上方に顔を引っ込めました。
同期と私は顔を合せ、何???といった感じで今の出来事をあらためて
確認しました。
それから1週間同期に泊まってもらいましたが、何事も起きませんでした。
そして新しい住まいが見つかり引越しましたが、あの男は何者だったのでしょう。
今はあの部屋のベランダにふとんがたまに干してあるのを見かけます。
ふとんの主は大丈夫なのだろうか?