洒落怖

目が、目が・・・

741 :739:02/04/17 13:25
高円寺在住の友人から聞いた話

Sさんが高校を卒業してしばらくした頃。一人の友人から電話がかかって来ました。
友人「なあ、A(仮名)知らないか?」
Sさん「あいつなら、近所のアパートで独り暮らししてるはずだよ」
友人「ここんとこ、あいつバイトに来なくてさ。いくら電話しても連絡つかないし」
Sさん「実家には?」友人「友人だって名乗った途端にガチャン」
Aさんは勘当同然で家を飛びだして独り暮らしをしていたのでした。
友人「悪いんだけどさ、様子見てきてくれないか? オレ、今バイト中でさ。あいつにこれ
以上サボるとマズいって言ってやってくれよ、メモ残すだけでもいいからさ」
Sさん「しょうがない奴だなあ」

実家の電器店を手伝っているSさんは、
その日の夕暮れ、仕事で近くを通ったついでにAさんのアパートへ寄ってみました。
部屋は真っ暗で、いくらノックをしても返事がありません。
留守か……と思いつつドアノブを捻ると、開きます。
中からは生暖かい空気がスーッと漏れて来ました。
Sさんは不用心だなあと思いつつ、一応、「おーい、A、いないのか~?」と声をかけました。
すると……

「S……助けて……」

という、か細い声が聞こえて来ます。アパートの部屋はロフト型で、
声は柵のない細い階段を上がったロフトスペースの方から聞こえて来ました。
Sさんはその声にただならぬものを感じて、部屋に上がり込みました。
Aさんはロフトの上で頭から布団を被って震えていたそうです。
別人のようにやせ細って。

Sさん「おい、どうしたんだ!? 病気か? どこか悪いのか?」
Aさん「S……あいつが、あいつが……」
Aさんはうわごとのように繰り返すばかり。
Sさん「しっかりしろ、電気もつけないで! なんでこんなになるまで連絡しなかったんだ!」
Aさん「だって……だって、
電話に行くにはあいつが……あいつがいるんだよ……降りられないんだよ……」
Sさん「しっかりしろ! あいつって誰だよ!?」
Aさん「目が、目だよ……冷蔵庫……お前の後ろ……」
Sさん「後ろ? 冷蔵庫?」

その時、Sさんはロフトの階段を半ばまで上がった所でAさんと話していました。
階段の上がり口には冷蔵庫がありました。
その脇にあったのは……
“目”でした。
そこには暗闇がありました──Sさんが部屋に入ったとき明かりを付けたにも関わらず。
その中に目がありました。
瞼も、まつげすらある巨大な、30センチほどもある“目”が。
あまりのことにSさんが凍り付いていると、
それは文字通り“目”を細めて笑ったような気がしました。
「うわぁぁぁぁぁぁっっ!!」
Sさんはその後何がどうなったのか憶えていないそうです。
“それ”の前を通らないと
下には降りられないはずですから、階段の途中から飛び降りたのかも知れません。
ともかく、何を踏んだのか、どこにぶつけたのか、
足を打ち身切り傷擦り傷いっぱいにしてSさんはアパートを逃げ出しました。
どこをどう車を運転して帰って来たのかも思い出せないそうです。
Sさんは、二度とあそこへは近寄らない、と堅く心に誓ったそうです。
その後、電話でAさんの様子を見に行ってくれるよう頼んだ友人からも何も連絡はなく、
自分から連絡を取るのも、恐くてできなかったそうです。
それから10年近く経った今でも、

Aさんからも、その友人からも連絡は途絶えたままだそうです。

https://curry.5ch.net/test/read.cgi/occult/1017317500/

-洒落怖


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事

洒落怖

返してくれませんか?

607 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/04/08 13:53 私の地元には潰れた病院があります。 そこは何年も前から残っているんですが、前に肝試しにいった男の子四人の体験です。 中に入っ ...

洒落怖

鷲林寺交差点

518 :コピペですが・・:02/04/05 00:21 六甲山の東の端に甲山「かぶとやま」というのがある。 以前、走り屋だった私は、その甲山のふもとのルートを ホームコースにしていた。 近くに「鷲林 ...

洒落怖

福井の心霊スポットの島

83 :ムササビ(15話目) ◆TC5.ZMGs :02/04/10 04:14 私の地元、福井には、かなり有名な心霊スポットの島があるんです。 そこは観光地でもあるから本土から歩行者専用の橋でわたれ ...

洒落怖

この家変だよ

57 :ムササビ(誤爆した・・・) ◆TC5.ZMGs :02/04/10 02:11 その家は関東の閑静な住宅地にひっそりとたっています。クリーム色の壁、赤い屋根、概観はまわりの家とまったくかわりが ...

洒落怖

中古本の出張買取

328 :古本屋23号。:2001/02/18(日) 00:15 俺は昔、某有名な古本屋でバイトしていました。 お客の家に行って古本を買い取る買取担当が主な仕事です。 で、ある日一軒の買取の電話が店に ...

© 2025 オカルトペディア Powered by STINGER