260 :ムササビ75 ◆TC5.ZMGs :02/04/10 07:17
私がまだ小学生のときの話しです.
当時,私の家は酒屋でした.1階がお店で2階が家といった感じです.
私の部屋は2階にあり,トイレは1階にありました.ある晩,私は突然
トイレに行きたくなり,トイレがある1階へ降りていきました.恐がりだった
私は,いつもトイレに行く途中にあるお店の電気を全部つけるのですが,
何故かその晩はお店の電気をつけずにトイレに入りました.嫌な感じは
していたのですが・・・まさか自分の家で幽霊は見ないだろうな~・・・
という気持ちが心のどこかであったと思います.私はトイレに入りオシッコ
をしているとオシッコの音に混じってお店の方から革靴の足音が・・・
パカッ・・・パカッ・・・としてきて,私は「気のせい,気のせいだ!」と自分
に言い聞かせました.すると,トイレの前でその革靴の足音が止まった
うな気がしました.私は恐る恐るトイレから出てお店の方を覗いてみると,
何やら暗闇と重なってスーツ姿の50,60歳ぐらいの男性が立っていました.
しかし,顔は暖簾で見えずスーツの袖から出ているはずの手も見えません
でした.唯一解ったのは茶色がかった靴でした.なのに私はその人が
50,60歳の男性であると直感しました.それは,幽霊の履いていた靴が
お爺ちゃんの履いていた靴ととても似ていたから・・・.しかし,当時の私の
それを受け入れる心の余裕はなく,気がつくと悲鳴を上げて2階へ続く
段を駆け上がっていました.
次の朝,私は母親に「昨日お爺ちゃんが家に来た」といったら,母親は私に
「お前に会いに来たんだろ・・・お前はお爺ちゃん子だったから」といわれました.
私は子供心に「こう」言ったのを未だ覚えています.
「お母さんは死んでも僕に会いに来ないでね・・・・・