洒落怖

留守番

75 :通りすがり(仮):02/05/23 12:10
留守番-

一人で留守番をしていると電話が鳴った。
「お母さんはいますか」
買い物に行ってます。と、ボクは答えた。
「お父さんは?」
会社に行ってます。とボクは答えた。
「そう、近くまで来たもんだから、預かってた荷物を返したいんだけど、
どうしよう? 開けてくれるかな?」
わかりました。と、ボクは答えた。
程なく、チャイムが鳴った。
ドアを開けると、ダンボールを持った知らない人が立っていた。
「ありがとう、お留守番えらいね。ところで、ボク一人なの?」
「うん」
「それじゃあ、ぼうや、荷物を置きたいんだけど、お父さんの部屋はどこかな?」
「おとうさんの部屋は入っちゃいけないの」
「大丈夫。おじさんは、おとうさんの友達だから」
「でも、いけないの」
「でも、お父さんの部屋に置かないと、後で、ぼうやが怒られちゃうぞ」
「でも・・・」
「大丈夫、おじさんがお父さんに言っておいてあげるから」
ボクはしぶしぶ、お父さんの部屋を教えた。
「ありがとう、あとは、おじさんが自分でやるから、ぼうやはそこにいてね」
おじさんはダンボールを持って、お父さんの部屋に入っていった。

76 :通りすがり(仮):02/05/23 12:11
ボクは言われたとおりに待った。
お父さんの部屋のドアを見ながら待った。
でも、おじさんは出てこない。
ボクはお父さんの部屋の正面に腰掛けてじっと、ドアを見ていた。
物音一つしてこない。
ボクはドアを開けて、お父さんの部屋の中を見なきゃいけないと思った。
どうしてか、おじさんが帰ってこないことが、不安でならないのだ。
「おじさん?」
・・・返事は無かった。
恐る恐る、ノブに手をかけると、ドアは簡単に開いた。
「おじさん?」部屋の中を覗き込んでみる。
・・・誰も居ない。
窓も閉まったまま、机の下にも誰も居なかった。
ただ、机の上にさっきのダンボールが置いてあるだけだ。

ボクはこの箱の中身が気になった。
小さいダンボール箱。
ボクだって絶対入れない。

ボクは昨日読んだ怖い話を思い出した。
犯人が探偵に追われ、証拠を隠すために死体をバラバラに
刻んで、小さな箱に隠す話だ。
-
この箱は開けちゃいけない。
この箱は開けちゃいけない。
だって、この中には・・・・・・
そう思いながらも、僕は恐る恐る手を伸ばした。
この中に・・・・

77 :通りすがり(仮):02/05/23 12:12
そのとき、電話が鳴った。
ボクは息を忘れるくらい驚いた。
電話は、いつも出ちゃ駄目だ。って言われてる、
お父さんの部屋の電話だったからだ。
目の前の電話が鳴っている。
3回・・4回・・・・5回・・ここで電話は鳴り止んで、
留守番電話に変わった。
『部屋に箱があるだろ』おじさんの声だ。
『中身を見てみな』ボクは言われるままに箱を開けた。
・・・・・・中身は空だった。
『俺がどれだけ本気かわかるだろうよ。』
ボクは箱を押し戻した。
やっぱり、あのおじさんは悪者だったんだ。
ボクはふっと、気付いた。
『もっとも、気が変わったから』
おじさんの声が、
『中身が入るのはこれからだけどな』
後ろからも聞こえてる・・・・・

振り返るボクの前に、
おじさんは笑いながら立っていた。

https://curry.5ch.net/test/read.cgi/occult/1021887980/

-洒落怖
-


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事

洒落怖

窓から見たお墓

220 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日: 2001/04/20(金) 11:30 私の友人の話。 高校生の時、文化祭の準備で学校に遅くまで残っていたとき、何げなく4階の教 室の窓か ...

洒落怖

はじめてのかていか

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2000/08/22(火) 18:18 はじめてのかていか 7がつ5にち きょう、はじめてかていかをならった。ケンちゃんは「かていかはおんなのかもく!」といってせ ...

洒落怖

曇るフロントガラス

243 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/03/11(日) 15:22 つい最近の出来事。 久しぶりに大学時代の友人と遊んだ帰りに、車で五日市 街道を通っていた(夜中2時くらい)。途中、 ...

洒落怖

鎌倉湖

125 :ムササビ(28話目) ◆TC5.ZMGs :02/04/10 04:50 以前、会社の物好きな連中と心霊スポット 巡りに行きました。地元湘南で「鎌倉湖」と呼んでいる、池?に行ったときです。 ...

洒落怖

霊を必ず見る方法

788 :体験告白:2001/05/05(土) 20:11 俺が高2の時に体験した話をする。 俺は小学生の頃から怖い話が好きで、 そのテの本やテレビの特番やなんかは必ず見ていた。 高校に入っても、クラ ...

© 2025 オカルトペディア Powered by STINGER