452 :ムササビりべんじ66 ◆TC5.ZMGs :02/04/12 01:16
そこは団地の中の直線道路で、車は通らないものの、
駅へ向かう道として結構利用する人の多いところでした。
仕事を終えた私は、通いなれたその道をのんびりと歩いていました。
ちょうど児童公園の脇にさしかかった時、正面から若い女性が自転車に乗って、
やって来るのが見えました。周囲が静かなため、シャーっという車輪の音も聞こえます。
駅に向かう人よりも帰宅する人の方が多い時間帯でしたが、
特に珍しい訳でもないので別に気にも止めませんでした。
道幅も十分にあり、私もよけることなく歩き続け、自転車とすれ違おうとしたその時、
自転車の女性が一言つぶやいたのです。「自殺…」と。
そのままその自転車は通り過ぎて行き、私はしばらくその場に立ちすくんでいました。
恐る恐る振り返っても、ちゃんと去って行く後ろ姿は見えます。
何故私とすれ違った瞬間にだけ、しかもあんな言葉をつぶやいたのかは解かりませんが、
とにかくものすごく怖かった!
その後は、ウォークマンなしでは歩けなくなりました。
幽霊などではありませんが、心底ゾッとした体験です。