洒落怖

死体置き部屋での夜

525 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/06/16(土) 21:40
ある旅行会社の添乗員が、ツアー客と共に沖縄のリゾートホテルへ行った。
そのリゾートホテルではプライベートビーチを持っているのだが、そのビーチ
には潮の関係でよく死体が打ち揚げられるという。
そのうちあげられた死体は一時ホテルの部屋で保存される事もある。
その部屋は普段はもちろん使われていない、ホテルの一階にある部屋だったが、
この添乗員はその部屋を使う事になった。時期がお盆でどこの部屋も空いてい
なかったからだ。

526 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/06/16(土) 21:50
添乗員は疲れもあり、寝入りこそ良かったものの、夜中、
壁に向かって横向きに眠っていたその背後の気配に気がつき
目が覚めてしまった。
この部屋の中で何人かが話し合っているような気配だった。
その何人かは時々添乗員に聞こえる声で、「おまえも入らないか」
と誘ってくる。そしてその何人かは添乗員が起きている間にも
増え続け、最終的には15,6人ほどの気配がするまでになった。

527 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/06/16(土) 21:57
その間にもその何人かは添乗員に「入ってこい」と誘いをかけ、
ついには「こい」という声と共に肩にぽんぽんと叩かれ、つかま
れるような感触までも感じるようになった。
添乗員は冗談ではない、と思ったが、ここは無視するに限る、と
冷や汗と寝返りをうちたくなる衝動をぐっとこらえ、うその寝息
をたてていた。

528 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/06/16(土) 22:11
彼らは時々添乗員に声をかけるものの、自分達の話が盛り上って
いるようだった。しかしながら添乗員は一時も気を抜けなかった。
気を抜くと振り返らせられそうで恐かったからだ。
それを延々二時間ほど続けていたらしい。
窓から薄明るい光が射し込んできた。すると、それに伴い小さ
い部屋から気配が少しずつ消えていくのが分かる。
そして、日が明るくなるに連れて気配は消えていき、とうとう
彼が薄目を開けると、前の壁に朝日の光が当たっていた。
朝が来た、と添乗員が体の力を抜いた瞬間、
「ほんとはおきてたくせに」
と耳元で声が聞こえ、今度こそ完璧に部屋の気配はなくなった。

https://curry.5ch.net/test/read.cgi/occult/989409611/

-洒落怖
-


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事

洒落怖

お前たちの間に

390 :ムササビりべんじ ◆TC5.ZMGs :02/04/11 22:05 友達のYが晴れて車の免許を取得し、新車で僕ともう一人の友達Sの3人で ドライブに行った時の話です。 初心者であるYの運転 ...

洒落怖

バックミラーに張り付いた霊

610 :Λ:02/04/20 23:02 霊感の無い私の唯一の体験をお話しします... もう10年位前、私が大学生だったころ展示会の設営のアルバイトをしてました。 その仕事内容は、展示会に必要となる ...

洒落怖

名指し

53 :ムササビ(コピペ) ◆TC5.ZMGs :02/04/10 01:58 高校時代、先輩と8ミリ映画をよく作っていた。 僕以外はみんな1年先輩の仲間だったが、映画のこと以外でもよく一緒に遊んでい ...

洒落怖

風鈴の音

114 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/08/06(月) 07:17 何年か前の蒸し暑い夏の夜のこと。室外機の調子が悪かったのでクーラーを動 かせず、仕方が無いのでベランダの窓を開けて ...

洒落怖

ポイ捨て厳禁

380 :真治2:2001/02/20(火) 02:29 とりあえず脚色無しで書いてみますね。 3年位前の話。私は今でも、バイク好きで乗ってるんですけど 3年前は俗に言われる、走り屋って奴だったんです ...

© 2025 オカルトペディア Powered by STINGER