27底名無し沼さん2017/09/18(月) 15:42:01.30ID:iM7eFQO+
なにかとご迷惑をおかけしております
寝袋・イモリ・尼寺の作者でございます
作品はコピペでも盗作でもございません
すべてオリジナル体験談でございます
今回は奥飛騨の怪奇なおはなし
奥飛騨慕情を書かせていただいて
よろしゅうございますでしょうか・・・
とある百名山登頂の帰り
ある露天温泉場に立ち寄り汗を流していた
ここは無料ながら無人チップ箱にコインを入れる湯
今夜の宿は無人温泉場の真向かいに位置する
宿にも湯はあるが、星を見たくて露天にきた
隣はおんな露天風呂
湯の流れる音にまじって湯桶を使う音がする
こんな深夜に女性が入浴か
話し声のないところをみれば ひとりか
(すみません ヨメが帰ってきましたのでつづきます)
28底名無し沼さん2017/09/18(月) 16:57:34.17ID:iM7eFQO+>>31
おまたせしました
ヨメが目を開いて昼寝をしていますので つづけます
おんな湯のあるじの想像を膨らませ、星をながめる
静寂を破って、おとこ湯の脱衣場が騒がしい
3人の男が会釈もなく入ってきた
「エエ女やったな」
「色は白いし腰が引き締まって、出るとこ出てる」
「独身寮住まいらしいで」
「寮かぁ・・・這ぉていきたい」
「あんなエエ腰を見たら 寝られへん」
どうやら、わたしと同宿の関西人の客で、
きれいな仲居さんの評価をしているらしい
たしかに彼らの評価どおり美しい仲居さんだった
団体客優先の宿にあって、一人客にも親切にもてなしてくれた
「おい、隣にだれかおるで」
ひとりの男が、おんな湯の気配に気づいた
「こんな夜中に、どうせ近所のおばあさんやろ」
とたんに、
男たちへ抗議をするかのような
なまめかしい咳払いがおきた「コホン」
「おいっ・・・若いがな・・・」
息をのみ、静まりかえるおとこ湯
(夕飯つくります 明日につづけさせてください)
34底名無し沼さん2017/09/20(水) 07:58:31.28ID:e5vF9Chv
(ヨメも台風も同時に去りました。
気を取り直し、奥飛騨慕情つづけさせていただきます)
隣の露天女湯から、なまめかしい咳払いがした
「・・・若い女が入っとるがな・・・」関西人が顔見合わせる。
総ヒノキの仕切り板に節穴があるらしく、
関西人3人が声を潜めて覗いている
「丸見えや、ええケツしとるなぁ」
「よ-見える、腰の締まりがええわ」
「見える見える、抜けるような色白やがな」
のぞいてみたい欲求にかられるが、
知らぬふりして滝湯にあたる
滝湯は緩やかで、ぬるいながらも、
重いザックを負ってきた肩へ心地よく当たる
都会では見ることのできない秋の星が美しい
いつのまにか三人の姿がない
(つづきます)
35底名無し沼さん2017/09/20(水) 08:01:47.19ID:e5vF9Chv
(つづきました)
隣の露天からは、湯を浴びる女の音が響く
ヒノキの板一枚で仕切られた隣の露天が気になる
たれもいない、よし
意を決して節穴をのぞく
・・・
暗い
関西人は「よく見える」と言っていたが?
さらに目をこらす
湯をつかう女の、カランコロンの音はひびいてくる
じっと節穴に目を押し付ける
が、暗い
さらに見つめる
カランコロンの湯桶の音はするが、見えない
・・・(こころおきなくつづきます
36底名無し沼さん2017/09/20(水) 08:05:21.48ID:e5vF9Chv
(ヨメいないのでのびのびつづけます
さらに目を凝らす
と、後ろから肩をたたかれる
ぎょっ!
振り向くと宿の番頭さん
「お客さん、お帰りが遅いので迎えに来ました」
「え?」
気づくと中崎川の河原に立っているわたし
目の前には、大金玉のタヌキが寝そべっている
節穴だと覗いていたのは、大タヌキの尻の穴
ぬるい滝湯は、大タヌキのしょんべん
カランコロンは、大金玉の擦れる音
タヌキには気を付けましょう
(奥飛騨慕情 FIN