635 :Λ:02/04/21 00:29
私はもうすぐ30になる会社員ですが、
私は霊感というものが恐らく全くといっていいほどなく(^^;平穏な日々を過ごしております。
ですがこんな私にも、ひとつだけいまだに背筋の凍る体験があります。
7年程前、当時大学生だった私はサークルの先輩とともに
先輩の実家である東北にスキーに行きました。
その日はよく晴れていて雪の照り返しで目も開けられないくらいでした。
先輩が反対側のゲレンデに行こう、と言い出し私は彼について移動をはじめました。
そのスキー場ではゲレンデを移動するのに一度上まで上がり
山を縦走するような感じで移動しなければならなかったのですが、
リフトとゴンドラを乗り継ぎ、移動をはじめた矢先、いきなり吹雪いて来てしまったのです。
「これ以上は無理だ」
私はゴンドラ乗り場へ引き返そうとしました。ですが時遅く、私は先輩を見失ってしまったのです。
その時私は日差しよけのサングラスしかかけておらず
吹き付けてくる雪と風に目を開けていることが困難になっていました。
吹雪は一向にやむ気配がなく、頼りの先輩の姿も見えない。
私の頭に「遭難」の二文字が・・・・
パニくる心をどうにか静めて近く似合った岩の上に腰掛け、吹雪をやり過ごそうと決めたその時、
「おーい、おーい」
と、聞きなれた先輩の少しなまった声が聞こえてきたのです。
そちらを向くと先輩らしき人影が・・・
私も精一杯の声でそちらに呼びかけ、先輩らしき人影に向かって行ったのですが
声は近くなっている感じはするがいつまでたっても近づけないのです。
全然追いつくことのできない私は「この非常時になにやってんだよ、あの人は!?」
むかっ腹の立ってきた私はさらに向きになって追いかけようとしたとき、
いきなりがっと肩をつかまれたのです。
突然のことにびっくりして振り向くとそこには私の肩をつかむ先輩が・・・
その後無事にゴンドラ乗り場に戻ってきたのですが
先輩が言うには「・・・おまえ何追いかけてた?」
「いや、先輩を・・・」
「おまえ、あれが俺に見えたのか・・・」
・・・先輩には吹雪の中に真っ黒な靄のようなものがあり、
大声をあげながら追いかけていく私の姿が見えたそうです・・・
こうして書くとあんまし怖くなさそーですが、私には命がけの体験でした。