406 :ムササビりべんじ ◆TC5.ZMGs :02/04/11 22:46
友人から、聞いた話・・
彼が会社の同僚と4人でスキーに出かけた帰り・・
北国生まれの彼らをもびびらす程の猛吹雪きに合いました。
ワイパー全開にしても視界ゼロ。雪は見る間に20センチほどになり、
路肩が見えず誤って、道のはじの溝に前輪をつっこんでしまいました。
「あ~あ、何だよ~」と言いつつ、男4人だったので、全員が車を降り、
シャベルでタイヤの周りを掘り、一人が運転席に戻って、アクセルを踏む。
その作業を続ける最中も、目があけられないくらい横殴りの雪が降り続け、
掘っても掘ってもすぐ雪で埋まってしまいます。まじに全員
「早くしないとやばい」
と急いでると、運転席の1人がエンジンをつけたまま黙って降りてきました。
「おい、何だよ!後ろから押すからアクセル踏めよ!」
と仲間が言うと、彼は「しっ!!」と口に指をあてて運転席を指さしました。
窓にはびっしり雪がついてて、目をこらしても車の中は見えませんが、
皆彼の異様な雰囲気に静まりました。
しばらくして、「何だよ」と友人が勇気を出して、運転席の窓の雪を
がりがりと落した瞬間、「うわあああああ!!!」
全員が窓に近寄ると、運転席にショートカットの女性が乗っているでは
ないですか。
吹雪のヒューヒューという音と女性の真っ白な顔が今でも忘れられないと
言います。結局このまま外にいると、凍え死んでしまうので、
彼は怖いのも忘れ、怒って「勝手に乗るな‐出て行けー」と叫ぶと、
次の瞬間彼女はいません。幽霊を見たというより、寒くて死ぬ~という感じ
だったので、全員やっとの思いで溝から脱出して、慎重に運転して
帰ったそうです。恐怖感が湧いてきたのは、家に着いてからでした。
それ以来、吹雪きの日に自分の車の運転席を見るのが怖くなった彼でした。