洒落怖

新聞配達の朝

85 :烏 ◆EFd5iAoc :02/01/30 15:41
あれは俺が小学校四年生でした。当時俺は朝刊の新聞配達をしていました。
その中の一軒に毎朝、玄関先を掃除しているお婆さんがいました。
そのお婆さんは毎朝、俺が『お早よう御座居ます』と言うと『ご苦労さん』と
言ってヤクルトを二本あるうちの一本くれました。
俺はいつしかそれが楽しみになっていました。

そんなある日、いつものようにお婆さんに挨拶すると返事がありません。
いつもは笑顔で挨拶してくれるのに、振り向きもせずに黙って玄関先を掃除し
ているのです。
なんか変やなぁと思いながらその日は残りの配達を済ませ帰りました。
そして次の日、お婆さんの所に到着して挨拶をすると又しても返事もなく掃除
をしています。
それにポストには昨日の朝刊と夕刊が入ったまゝです。その横のケースの上に
はヤクルトが三本あります。
俺は黙って飲む訳にもいかず…その日も帰りました。

翌日、お婆さんの姿はありませんでした。そして、その次の日も…そして2~3日たったのですが、相変わらずお婆さんの姿はありません。
そしてポストは新聞で一杯になったので玄関の扉の間から新聞を投函しました。
そしてヤクルトも数が増えていました。
(旅行でも行ったんかなぁ)たいして気にも止めずに、その日も帰りました。

そして、店に帰り新聞屋の親父にその話をすると『あぁ、あの婆ちゃんヤクルトく
れるやろ』と言い、『そー言えば、あの婆ちゃん一人暮らしやったはずやで。
なんか心配やなぁ』と言いました。
そして『とりあえず一回警察に連絡してみるわ』と言ってましたので俺は家に帰り
学校へいきました。
そして次の日新聞屋に行き、配達に出ようとするとオヤジが
『○○君! あの婆さんの所はもう入れんでもいいよ』って言われました。
(なんでやろ?)と思いながら配達を終え店に戻るとオヤジが
『あのなぁ~あの婆さん死んだんや。』
『今、警察の方で調べてるけど死後一週間から十日は経っとるみたいやなぁ』と言いました。
そして、『配達に行く前に言たら恐がるやろから戻って来たら言うたろと思てたんや。
まぁ、お前が姿を見た最後の二日間の婆さんはお前に自分が死んでる事を教えたかったんやと思うでぇ』と言われ、その瞬間は俺は意味が分からんかったんやけど意味が分かった時、新聞配達を辞めたのはいうまでもありません。
あれから31年経った今でも、あの婆さんの姿は忘れられません。

https://curry.5ch.net/test/read.cgi/occult/1012201120/

-洒落怖


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事

洒落怖

死ねしねさま

232 :死ねしね様(0/6):2021/01/05(火) 16:36:33.60 ID:P2fi3KBR0.net[1/7] 前後の状況をまとめきれなくて長くなった なにが怖いのか自分でもよく分から ...

洒落怖

廃工場で泊まり込み取材

337 :イット:2000/08/18(金) 22:30 大好きです、このスレ。伝聞OKとのことで、私も一話。 あるフリーライターが、「幽霊が出る」という噂のある廃工場で泊まり込みの取材を したときの ...

洒落怖

アロハシャツの女

334 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/02/18(日) 19:41 去年の夏の話です。 自分、配達の仕事やっていて最初に研修という形で先輩と配るんです。 その時教えてもらったC先輩と ...

洒落怖

携帯電話の落とし物

560 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/06/18(月) 07:56 ※着信履歴 ○○(デパート)で買い物をし終え、駐車場へ向かう途中、 自分のバイクの横に携帯電話が落ちているのに気が ...

洒落怖

六甲ハイウェイの首なし女

160 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :2001/07/04(水) 17:58 以前に六甲ハイウェイの首無し女性の話がありました。 以下コピペ 六甲山ハイウエイは若者バイカーの"天国と地獄"と ...

© 2025 オカルトペディア Powered by STINGER