558 :Λ:02/04/20 16:31
この10年前に起った出来事は不思議でなりません。
その当時、付き合っていた彼がとても霊感の強い人で、彼に付き合い始めてから、
不思議なことが何度も起りました。中でも今だに納得ができない出来事の一つをお話します。
私は秋葉原付近の会社に勤めていて、彼は私の同僚でした。
仕事は忙しく、終業は夜も深夜になることが度々あって、仕事が終わると、そのまま秋葉原駅へ向わず、
御徒町までぷらぷら散歩をして帰るのが日課の一つになっていました。
日中は人通りの多い町も夜になれば、人一人歩いていません。
その道沿いには平行に山手線の高架がありました。(現在もあります。)
あの日も残業を終えてから、彼と二人でとことこ山手線沿いの道を歩いていました。
十字路の信号が点滅し始め、やがて赤になったので二人は足を止め、青になるのを待っていました。
その時、「キキイイイイイイーーーゴットン!!」
もの凄く重い車両を引っ張っている列車が急に線路に止まった音が高架の方から聞えました。
この音がもし普通の電車の音なら別段気にしなかったと思います。
あきらかに、山手線の電車のブレーキの音ではないのです。
もっと正確に言えば、現在の電車のブレーキの音ではなく、もっと重々しくて、まるで大きな車輪の
SL機関車が止まったらあんな音が出るのではないかと、思えるほどでした。
私達は同じ思いで言葉がでないまま、目をまん丸にして見合わせ、その音の原因を知るべく、
おそるおそる高架線の上を見上げました。
「 !! 」
そこには電車ではなく、列車が止まっているんです。
見間違えかと、何度も見直しましたのですが、やはり電車ではなく、列車なんです!
そればかりではなく、私達の周りだけがまるで別世界の様で、空気全体の色が黒く感じました。
夜という背景からなのか、はっきりと列車の全体像を見ることができません。
客室の窓が現在の電車とは違い小さく、その窓の中には備え付けのようなカンテラににたとうな
形の照明器具が光の色が黄色く鈍く光っていて、誰も乗っている気配はしませんでした。
ただ、列車全体がぼうっと怪しく光っているのが印象的でした。
どれほど時間が過ぎたのか、目の前の光景をお互いに確かめるべくしゃべり始めました。
「何?あれ、山手でも京浜でもないよ!!」
「それより、今の時代の電車じゃないだろ!」
「突然、ブレーキの音がしたら、あそこにもうあったよ!さっきまで、ずっと線路沿いを
歩いてるのに気付かないのはおかしいよ!電車が走ってる音なんかしなかったよ!!」
と言い合いをしている時
「ゴットン!!!」と重たい音がしました。
私達は、びっくりして高架の列車の方を見ましたが、その時にはもう列車がありませんでした。
一瞬であっという間に、高架から消えてしまったんです。
電車は線路の上を走っているわけですから、走り去る姿が見えるはずです。
二人できょろきょろ辺りを見まわしましたが、列車の姿はありませんでした。
私たちはどうしても気になったので、次の日に同じ時間同じ場所に行って見ましたが、列車は現れませんでした。
あれはなんだったのでしょう。私はあの場所を通る度に、高架を見上げてしまいます。