587 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/08/14(火) 14:53
はじめまして。私、東京在住のプログラマーを生業とする者です。
以下は、私が前の勤め先を辞める直前の頃の事です。
バブル崩壊の余波は、その会社にもモロに来ました。
取引先のほとんどが、メーカーだったのが、まずかったんでしょう。
取引先に設備投資を抑えられたら、収入はがた減りです。
で、まずはリストラの一環として、社屋を明治通り沿いから、賃借料の安い、武蔵野方面へと引っ越す事になったのです。
色々と不都合があって、明確な地名等は明かせないんですが。
そこは、一番太いパイプのあるメーカーさんも近く、駅からも徒歩3分程度という、言わば好条件だったんですが・・
冒頭で書いた通り、私には、最初から「こりゃぁちょっと・・・」という感じがしていました。
まず、建物の形が実に不自然。まぁ、狭い土地に建物を詰め込もうとしたせいなんでしょうが、
真上から見ると、ひずんだ三角形なんですね。
で、一番の鋭角に当たるところで、丁度道がY字型に分岐してて、窓から下を眺めるに、どうにも見通しが悪そうで、実際、事故もちょくちょく起きてました。
交通の便等は良いんだけど、でも長居はしたくない、そんな感じを抱かせる場所でした。
そこに引っ越して1月と経たない頃、小さな地震がありました。震度そのものは大した事もなかったんですが、何しろ高いビルの最上階、その無駄に揺れる事。
「おお、こりゃぁ来るなぁ」などと同僚と軽口を叩いていた時、突如部屋の中に、
「パシーンッ」という音が響きました。窓でも割れたか、建材に異状でもでたか、はたまた単にホウキでも倒れたか。
しかし、ビルにも、室内にも、何ら異常は見つけられませんでした。
こんな事がちょいちょいあって、ますます鬱陶しい(私、この手の体験は多い方なので、どちらかと言えばうんざり気味だったのです)なぁ等と思っていた頃です。
588 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/08/14(火) 14:54
お恥ずかしい話ですが、ある仕事がえらく遅れてしまい、納期ぎりぎりに間に合うかどうか、という事になりました。
で、これは徹夜しないと間に合わないな、と。物凄く嫌だけど、一人で徹夜仕事をする破目になった訳です。
深夜をだいぶん過ぎた頃です。ビルの外へ夜食を買いに出ました。勿論、無駄な電灯などは皆消して、自分が使っている以外のコンピュータ(当時は、まだPC-9801でした)も電源を落して。
で、部屋に戻っておにぎりのパックを破っている時に、ふと異状に気づきました。
部屋の隅の方にあるPC-98の電源が入っている。
自分が使っているのとは、別のマシンです。はて、全部落としてあった筈だが、さては忘れていたか。その時はそう思い、やれやれと思いつつ、そのマシンの電源を落としました。
食事を終え、さて、仕事のつづきを、とマシンに向き直った時。
背後で、「Pipo!」という、音が。間違いありません。PC-98特有の起動音です。
「え?!」と振り返ると、確かに、さっき電源を落としたマシンの画面が光っていました。
どれくらい、そうして凍り付いてましたか。気を取りなおし、また電源を落とし、仕事を再会。だが、ふと気を抜くとまた
589 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:2001/08/14(火) 14:54
「Pipo!」。
そんな事を何度か繰り返し、ついに天辺に来た私は、翌朝上司に嫌味を言われるだろうと思いつつ、部屋の明かりを全て点け、くだんのマシンの電源コードを引っこ抜き、CDをかけて仕事に没頭しました。
3時過ぎには仕事を終え、眠りについたと思います。
で、翌朝。私が仮眠室兼用の会議室から出て来ると、部屋の中がざわついている。見れば、例のマシンの周囲に人が集まっている。
「君、昨日の夜このマシンいじったか?」と上司に聞かれました。「ATOKがいかれてるんだよ。どうにも文字化けばっかりしてさ」と。
確かに、変換しても画面には出鱈目な文字化けしか出てこない。が、私は、その文字化けの中に、一定の法則があるのを見つけてしまいました。
ぐちゃぐちゃな文字の中に、時折現れているまっとうな文字。それはどれもこれも不吉というか、おぞましいというか、そういった印象を抱かせるものばかり。「死」「腐」「憎」「病」・・・そういった文字。
画面全体の文字化けを眺めても、何か、そこから睨まれているような。
昨晩の説明もそこそこに(到底信じては貰えかろうし)、ソフトの再インストールから、ハードディスクのフォーマットまで、色々試しましたが、結局そのマシンは治らず、更にその翌日には、廃棄処分になりました。
それ以来、私は「二度とこの部屋で徹夜などするまい」と決めました。まぁ、それどころか、会社そのものを辞めてしまったんですが。
あの現象がどんな意味を持っていたのか、あるいは、何の意味も持たない、言わば通り魔的なものだったのか。それすらも解りません。
先日、その会社の近くに住む友人宅を訪れた時、そのビルまで行ってみたのですが、案の定というか、何というか、その会社があったフロアは貸し出し中になっていました。