444 :ブラククロウズ:2001/08/09(木) 17:25
…彼女が小学校低学年のとき、よく電車に乗って祖母の家へ
遊びに行っていた。その祖母に「電車に乗る時は、
ホームと電車の隙間に落ちないよう気をつけなさい」と
よく言われた。いつもは優しい祖母も、その時は厳しい
口調で話しかけるため、電車が来るとすぐ顔を俯けて
気をつけるクセがついてしまった。
ある日、いつものように祖母の家からの帰り、一人で
地下鉄を待っていた。電車が入ってくると、彼女は
その空間を見つめはじめた。…電車が止まり、扉が開く。
慎重にホームから車両へ、俯きながら足を踏み出した瞬間。
その隙間から、逆さ向きの笑顔が見えたのだという。
それは首だけの、男性の笑顔だった。