439 :有名な話だと思うんだけど…。:02/04/03 11:27
ある二人の男が霊が出ると噂される屋敷へ探検に出かけた。
二人は霊スポットとされる所には必ず行くほど、肝試しが大好きだった。
その日も二人は、ビデオカメラを持って屋敷へと向かった。
「幽霊の声、上手くとれると思うか?」
今回の目的は、幽霊の音声をとる事だった。上手くいったらスクープだ。
数十年前に持ち主である男性が自殺してから、まったく買い手のつかな
かった屋敷は荒れ放題だった。
二人はふざけあいながら屋敷へと足を踏み入れた。
「お邪魔しまーす」Aが言った。
「へー、けっこう綺麗な家なんですね」Bも言った。
「おじさん、金持ちだったんでしょ?」またAが言った。
しかし、屋敷は静まりかえったまま。彼等が過去の肝試しの際に何度も
経験してきたラップ現象さえ起こらなかった。
「なんだ、今回は外れかもな…」Bが言い、二人は残念に思いながらも
屋敷を後にする事にした。
「お邪魔しましたー」最後に二人は声を揃えた。
カメラを所持していたAは、帰宅してからテープを再生した。
何か映っていないか、という期待に胸を膨らませた。
カメラは屋敷とBを映していた。ちょうど入る所だ。
「お邪魔しまーす」Aが言うと。
『やあ、いらっしゃい』見知らぬ男の声がした。
「へー、けっこう綺麗な家なんですね」Bが言う時も。
『…ありがとう』見知らぬ男の声が返ってきた。
「おじさん、金持ちだったんでしょ?」
『そうでもないさ…』
「なんだ、今回は外れかもな」
『……………そうかい?』
男の声は、だんだん不機嫌になっていくようだった。
「お邪魔しましたー」
テープに、ノイズがはしった。
次の瞬間、画面いっぱいに絶叫する男の口
『ち ょ っ と ま て』