455 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/04/04 11:19
私の友人Rから聞いた話です。
その日、Rはいつものように電車に乗っていました。
乗って、しばらくするとRの携帯が鳴りました。
(電源を切るのを忘れていた!)
Rは急いで携帯を切ろうとしました。
しかし携帯の表示を見ると、電話をかけてきたのは、Rが想いを寄せているT。
Rはそのまま電話に出ました。
Tからは「明日一緒に出かけないか」との誘いでした。
Rは有頂天で話し続けます。
そこへ視線を感じました。
見ると、一人の老人が物凄い形相でこちらを睨んでいます。
その顔はみるみるうちに真っ赤になったかと思うと
今度はだんだんと白く、蒼くなっていきます。
(なんだあの人。こっちを睨んできて。気味が悪い)
Rはそう思うとまだ降りる駅ではなかったのですが電車を降りました。
次の日。
RはTと一緒に出かけました。
楽しかった一日はあっという間に終り、その帰り道。
「………な」
Tが言いました。
Rは良く聞こえません。
「なに?」
「………だな」
Rは聞き取りやすいようにTの口元へと近づきました。
そしてTの顔を覗きこむと、その顔は
昨日の老人の顔になっていたのです。
「おまえだな!!!!」
そういうと老人の顔をしたTはRに飛びかかって来ました。
「違う!!!!!」
そうRは叫ぶと、そのままTを突き飛ばしたのでした
……
……
気が付くと、そこには顔面から血を流すTが倒れていました。
Tの顔には大きな傷が残りました。
その日の朝刊には小さな記事が載っていました。
昨日、電車の中で一人の老人が心臓発作を起こして亡くなった、という記事が。
時間と場所を考えると、それはRが乗っていた電車のあの老人のことでしょう。
老人は、今でもあの日電車の中で携帯を使っていた若者を探しているでしょう。
しかし、その張本人であるRが「自分ではない」と言ってしまった今
その老人は他のだれかのところへあらわれているのかもしれません。