268 :ムササビ79 ◆TC5.ZMGs :02/04/10 07:26
この話は、今から六年前に私が体験した不思議な話です。
私が幼稚園の頃、家族で新築の家に移り住んだのですが、
小学五年生の頃、父の仕事の都合で三年間転勤する事になりました。
転勤先では、アパートに住む事になっていました。
しかし、一軒家からアパートに引っ越すのではどうしても家財道具の
全てを持っていく事は不可能なので近くに住む叔父の家に、家財道具を
預かってもらう事になり、三年間その家は空家になっていました。
三年後、父の転勤も終り空家になっていた家に戻って来ました。
中学校に通い始めて、小学校時の友達と久し振りに逢って話をした時
住んでいる場所を聞かれ何の違和感もなく場所を教えました。
すると、その友達が急に黙ってしまったのでどうしたのか聞いてみました。
三年程前転勤した後ぐらいから、私の住んでいる家は「幽霊屋敷」と呼ば
れているそうです。
幼稚園から住んでいた私は、幽霊なんか見たことがなかったので、
友達の冗談と思って、笑いながら「どんな幽霊が出るの?」と聞いてみると
真面目な顔で「市松人形が、家の周りをグルグル飛んでいるらしくて目撃
した人も結構いるらしい。」と言いました。
「市松人形」それを聞いた私は、一瞬凍り付きました。
私の家には、確かに十二年前に死んだ祖母が、妹にプレゼントした市松
人形が飾っていたのですが、引越しの時に叔父の家に三年間預けていました。
しかし、まだ信じられず家に帰って家族にこの事を話すと小学校に通って
いる妹も、全く同じ事を言われたらしいのです。
市松人形に乗り移った祖父が、家を守ってくれたのでしょうか。
それとも、置いて行ったので呪っているのでしょうか…………
ちなみにまだ、家に例の市松人形はあります。