412 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/04/11 23:09
僕が住んでるアパートは、玄関開けたら5分でお墓というナイスな環境な為か、特に霊感があるなどとは思わない僕にも何かが見えることがあります。
これは、その中でも一番怖かった話です。
2年ほど前の話になります。
当時、僕には付き合ってた彼女がいたんですが、二人の関係はもう冷めきっていて別れるのは時間の問題だという状態でした。
その夜は久し振りに彼女が泊まりに来てたんです。
二人とも眠った後、恐らくそんなに早くない時間だと思いますが、突然背中に気配を感じて目が覚めたんです。
彼女が壁側に、僕がその横に彼女のほうを向いて寝てたものだから、当然目の前には彼女がいます。
金縛りで振りかえることもできません。が、すぐに何かいる、って判りました。
はじめにも書きましたが、何回かこの部屋には出たことがあるんだけど、今までは見えても怖いって感じたことは一度もなかったんです。
ただ、通りすがりっていうか……そんな何ともない感覚だったんです。
だけど、目で確認もせずにその存在がはっきり判ったのはそれが初めてのことでした。
なにより今まで見えた何かの時と違って、明らかに僕は恐怖を感じていました。
やばい……。本気で思いましたね。
何故か不思議なんだけど、背後にいるのが女の子だって判るんです。
白い印象でしたが、それが白い服を着ているからなのかは判りませんけども。
すこし僕の背後に浮かんで僕を見つめてるのです。
今でも不思議に思いますが、何で浮かんでいることまで判ったのか? だけど、やっぱり仰向けや壁を背にして寝ていなくてよかったんでしょうね。
もし、その子を目にしてたらと思うと…。
自分がガタガタ震えてるのが判りました。でも、身体はいうことを聞いてくれません。
そうこうするうちに、その女の子が喋ったんです。
た・す・け・て
こ・ろ・さ・な・い・で
と。 僕はもう、なす術もなく怯えていました。
それが、朝の目覚ましの音で金縛りがとけるまで続きました……。
いつのまにか女の子は消えていました。身体中汗まみれでした。
彼女は何も見てないようでしたし、ぐっすりと眠ってました。
結局、その時の彼女とはすぐに別れたんですが、決定的な理由は彼女の浮気でした。
別れて暫くたったある日、彼女に呼び出されてこう告げられました。妊娠した、と。
相手の男が僕か、もう一人の奴なのか判らないから堕ろすとのこと。
僕も、彼女にはもう疲れていたので、それに同意しました。
だけど、僕は確認しています。彼女のお腹にいたのは女の子で、その子の父は僕であったと……。
それとも、あの夜のことは夢で、そのとき彼女が妊娠してたのも、やはり偶然なんでしょうかね。
霊を見ただけでなく、接触を持ったのは後にも先にもこれだけです。